つれづれなるままに...

これはここでおきた出来事を気が向いたときにつづったものです。


2008年1〜3月の巻...
最新の「つれづれなるままに」

<過去の「つれづれなるままに」はこちら>
 2003年5月以前  2003年6〜7月  2003年8〜9月  2003年10〜12月 
 2004年1〜3月  2004年4〜6月  2004年7〜9月  2004年10〜12月 
 2005年1〜3月  2005年4〜6月  2005年7〜9月  2005年10〜12月 
 2006年1〜3月  2006年4〜6月  2006年7〜9月  2006年10〜12月 
 2007年1〜3月  2007年4〜6月  2007年7〜9月  2007年10〜12月 


3月31日

 温床の熱が出てきたので、29日に2回目のトマトの種まき、昨日今日で長ねぎの、そしてキャベツやブロッコリーなどの種を今日まいた。こうして畑の準備も少しずつ進行している。

 ところで、一昨日(29日)の晩、北海道自然養鶏会という同業者の交流会があり、旭川の隣にある東川町まで行ってきた。

 その途中、まずは滝川の「えべおつ温泉」に立ち寄りひと風呂浴びた。最近はやりのスーパー銭湯のように、派手な設備があるわけではないが、こんこんと湧き出す温泉の湯船に身体を沈められるのがとてもありがたい。最近、いろんな温泉に行って思うのだが、設備の有無は私にとってはどうでもよくて、ちゃんとした温泉の湯船さえあればそれだけで落ち着く。実際、いろんな設備があっても温泉の湯船にだけ入って帰ることが多い。お金がもったいないという向きはあろうが。

 そのあと、4年半ぐらい前に本別での道の農業研修で知り合い、滝川の隣町・妹背牛(もせうし)町で新規就農した山田夫妻(Flower Gate)のところに顔を出してきた。東川まで行くんだったら、その手前の妹背牛に寄るのはいい機会だと思った。本別で会って以来だったけれど、私の来るのを快諾してくれたことが嬉しかったし、また元気な様子で再会できて何よりだった。本当にありがとうございます。お互い新規就農どうし、そりゃいろいろあるだろう(とは思う)けど、また元気に再会したいなと願って妹背牛を離れた。

 妹背牛からおおよそ1時間あまり車を走らせ、東川へたどり着いた。すでに交流会は始まっていたが、そこでいろいろな人の話を聞くと、新参者の私は、べつに新参者だからというわけでもないだろうが、いろんな面でまだまだと思わされることばかりである。そこではみんなが持ち寄ったたまごを食べ比べる、という企画もあったのだが、それは翌朝にやる、ということになり、翌朝の日の出のころまでに帰宅しなければならない私としては、泣く泣くあきらめるしかなかった。味比べもだけど、普段いろんな人(同業者に限らない)から話の出る黄身の色のことも気になっていて、見た目の違いもぜひこの目で確かめたいと思っていたので、それもかなわかったのもまた残念だった。

 宴が一段落した2時45分に東川を離れ、夜が明けた5時半に自宅着。外はすっきり快晴だったが、育苗ハウスの中はまだまだ低温で助かった。朝7時にはハウスの中は20度ぐらいになっていたから、東川で夜明けを待っていたらたぶん苗はダメにしてしまっただろう。3月の育苗は、夜は低温にさらされるので、ハウスは風があたらぬようカーテンを下ろしておくし、温床にも霜よけにビニールなどをかぶせて閉めておかねばならないが、晴れた日にこれらを開放せずに放置しておくと、ハウスの中が一気に高温にさらされ、苗が焼け死んでしまう。だからこそ、東川まで行ったからには徹夜ドライブはしないわけにはいかなかったのだ。でも、私にとってはそれを大いに補って余りある一日だった。


3月26日

 今日は2つめの温床を仕込んだ。月末になったらまた苗ものの種まきをしたいので、その準備ということで。

 畑全面の雪どけはもはや時間の問題となってきたが、土が見えてくるといろいろな発見もある。母屋に隣接する露地畑で、昨年の秋に種をまいたほうれん草や植え付けたにんにくを見てみると、結構ネズミに荒らされたあとがあった。葉のちぎれ方からすると、まだみずみずしかったから雪がなくなった瞬間を狙っていたのだろう。雪のない季節ならうちの猫たちが徘徊している場所だが、積雪があるうちは母屋から一番離れていて除雪もしていない場所(つまり畑の端)で、猫もそこまでは遠征していなかったためか、一瞬のスキを逃さない敵もさるもの。とはいえ、ほうれん草は全部が全部やられたわけではないし、にんにくもやられたのは葉先だけで根っこまで食われたわけではないから、まあいいか〜と気楽に構えられる程度でよかったが。これに気をとられるくらいなら、一昨年鉢上げ直前に大打撃をくらったトマトの苗に警戒を強めねば、といったところ。


3月22日

 昨日、部落の集まりがあっていろいろ雑談などしたのだが、話題の多くは1ヶ月前の大雪のことで占められていた。ハウスを潰してしまったという人、潰しこそしなかったものの徹夜で除雪したという人、聞くも涙、語るも涙...とまではいわないまでも、少なからず影響を受けた人が多かったようだ。冬の北海道では、栽培している作物にもよるが、メロンなど栽培しているところでは2月には栽培を始めているから冬じゅうかけたまま、という場合もあれば、ハウスが積雪で潰れぬよう、春の作業が始まるまでビニールを外しておく、という場合もある(骨組みだけなら降る雪は地面まで素通りするから、普通は潰れない)。しかし、ビニールを外していたにもかかわらず、ハウスの背丈以上に雪が吹きだまり、ハウスの骨組みが潰れてしまったという不運な話もあった。長年やっている人なら、たいがいの対処法を熟知していて、私もそういうところで出た話を盗んでいるくらいなのだが、そういう大ベテランの人たちの口から「あんな大雪はありえない」というのが異口同音に出てくるほどだったから、いまおもうと、我が家が無事だったのはかなり奇跡に近いと言ってもいいのかもしれない。

 あれからちょうど1ヶ月、畑にはだいぶ黒い部分が目立ってきた。あのころ2メートルの山がいくつもあったのが信じられないほど、今年の雪どけは速い。


3月19日

 離農する知り合いに頼まれ、オス猫の「しっぽ」をうちの納屋で飼うことになってはや2週間、最初は孤立している様子で、来たその日から私を見ると必ず寄ってきて甘えたがり、また全然納屋から出たがっていなかったのが、いまとなっては元気に外を走り回るようになり、先住の三姉妹2組ともそれなりに折り合っている風である。昨日たまたまうちに用事があってやってきたその知り合いに、しっぽの様子を見てもらおうと納屋に案内したところ、なんと彼は納屋の中を猛烈に走って逃げ回り、元の飼い主さんが帰宅するまで私たち二人の前には近づかなかった。これはかえって気の毒なことをしてしまった...と思ってしまったほどで、それくらいしっぽは我が家の生活に慣れたようである。


3月17日

 今年もギリギリに確定申告を済ませてきた。いつもながら、よくもまあこんな状態で生活していけるもんだと思ったりもするが、お金が少なくても少ないなりに工夫すればどうにか暮らしていけるということでもある。私は質素な暮らしでもそれなりに満足していける性質(たち)なのでさほど気にはならないが、数字だけ見れば、100人いれば99人ぐらいは私が生活していかれることに疑問を持つだろう、とも思う。

 今年の経費の内訳を見ると、明らかに原油相場と穀物相場の高騰が我が家にも影響を及ぼしている。何年もやっていると、かかる経費はたいがい毎年似たような感じになるのだが、鶏のえさ代と油がらみの費用に関してはどうしようもないほどに跳ね上がっている。ことえさ代に関しては、価格の高騰もさることながら、今後穀物はバイオエタノールへの需要との競合も予想されるので、小麦の調製時期に一気にかき集めて備蓄しておく必要も感じていた。それで昨年は一気にえさをかき集めたほか、飼料貯蔵用のコンテナに投資したりするなど、えさ代以外のところでも投資費用がかさんでしまったから、実際昨年必要とした分以上に経費が乗っかってしまった部分もあるのだが...ま、なんとかなるでしょう。


3月10日

 一時は2メートルほどあった吹きだまりの山は、今月に入って一気に半分以下になり、防雪ネットの真ん中の線が見えるようになってきた。特にここ数日は1ヶ月先ぐらいじゃないかというような暖かさで、昼間は完全にストーブの火を落とすことができた。

 さて、1週間前に温床を仕込んで以降順調に熱が出て、8日に大玉のトマトの、そして今日は中玉とミニトマト、なす、たまねぎ、セロリの種をまいた。予定では、今月下旬にもう一度別に温床を仕込んで、その後キャベツなどの種をまくつもりでいる。

 どうでもいい話だが、最近ラジオで知った古時計の「ロードショー」というフォークソングにジーンときている今日この頃。たまたまとあるラジオ番組でそれを聴いて、ああいいな、と思ったものだから、別のフォークソングの番組にリクエストしたら珍しく採用されたので、待ってましたとばかりにMDに録音し、昨日は配達の車の中でその曲ばかり繰り返し聴いていた。普段車中では道路情報や気象情報などの流れる地元AMラジオ番組を聴いているのだが、日曜日は生番組が少なく、そういう情報もあまり流れないので、たまにはまあいいかなと。


2月27日

 数日前の暴風雪は一段落したとはいえ昨晩も雪が降って、今日も朝から除雪、そして午後にも除雪していた。それが終わってやっと、前前からやりたかった葉モノ(ほうれんそう、小松菜、山東菜)の種まきをすることができた。もちろんハウスの中ではあるが、今年は種まきが遅れたので、初物はゴールデンウィークの前になってしまいそうだ。ただ、そのまえに年越しの葉モノを準備はしていて、昨秋ハウスにまいたほうれん草はあと半月もしないうちに収穫を始められそうだし、露地の雪の下で眠っているであろうほうれん草は雪どけしてまもなく収穫できるはず、その他わざと片付けずに放置していた小松菜の菜の花も春先に収穫できるだろうし、なんだかんだと食卓の春は近い...とおもったが、今回の積雪で、その予定は狂ってしまうのかも。


2月24日

 昨日の夕方からの24時間はまさに悪夢だった。

 昨日の昼間はずうっと湿った雪が降っていたが、ハウスの中なら仕事ができるからと、育苗に使う温床の枠を修繕し、一段落したところで除雪にとりかかった。ぱっと見て15センチぐらい積もっていたので、まあ鶏と野菜のハウスまわりで2時間ぐらいで終わるやろ、と思っていたところが大誤算。各個所一巡したところで、除雪機を元の場所へなおそうとしたが、なんと一番最初に除雪機が入ったところから20センチ以上も雪が...ってことは1時間に10センチぐらいのハイペース。まあ地面だけなら一休みもできるのだが、ハウスの屋根にもしんしんと積もっている。これではハウスが潰れてしまうとハウスの屋根の雪下ろしをし、その後さらに除雪機でもう一巡していたら、またまた積雪状態。おそらくこの夕方だけで50〜60センチは降っただろう。ただ、この段階で雪はやんだので、再びハウスの雪下ろしをして一時休戦。この段階で夜の10時半過ぎだった。

 ところが、ここから急に風が猛烈になり、こんどは地吹雪の嵐。夜中に何度か起きて見回りに行くと、風が強すぎて雪が飛ぶものだから、ハウスに雪が積もらなくなってきたのでこっちは一安心。しかし今度は犬が心配になってくる。大きな犬はどうにかなっているが、中型犬のイヌゾーやつよしは吹きだまりに囲まれてしまっていたので、窒息しないようにすべく、彼らの周りは最低限、スコップで居場所を作るも、見に行くたびに危機一髪(?)、私を見ると喜んで飛びついてくるほどだった。
 朝になって空は晴れてきたが、台風以上じゃないかという猛烈な風はやまず、昨晩除雪して作ったはずの道も吹きだまりで埋もれてしまい、場所によっては私の背丈(170センチ)どころ、2メートルを超す山もできていた。高さ1間の防雪ネットが吹きだまりで完全に埋もれてしまっているぐらいだからたちが悪い。だいたい、我が家の敷地のみならず、目の前の公道も吹きだまりができたまま、まったく町の除雪車が来る気配がない。でも、幸いなことにうちの子たちは全員無事だった。犬は埋もれずに済んだし、猫たちは最初から外に出ていなかったので全員無事。鶏小屋も潰れなかったので、おとなの鶏は何事もなかったようにえさをついばみ、たまごもうむ(ただしこの荒天で明日以降の産卵は保証の限りでない)。生後20日のヒナたちは納屋の中だが、停電しなかったため保温もセーフ。今回の荒れた天気の中でも、これが何よりも救いだった。

 さて、うちの子たちのごはんが済んだところで、午後から敷地内の除雪に入る。とはいえ、家の前の道は午後になっても除雪が入らない。どうしても除雪機は公道を走らせねばならないのでこの状態はきつい。保線作業にきたJRの方たちも、スコップやつるはしを杖に、身体を沈めながら我が家の裏手にある踏切に向かっていったほど。いざ除雪をはじめるも、2メートルを超す山は最初から無視。犬の居場所も1メートル以上の積雪になっていて、犬を避難させながら除雪機を何往復もさせてやっと除雪。そうかと思うと、雪が飛ばされ積雪ゼロになってしまった場所もあったりする。そんなこんなで、明るいうちにどうにか除雪を終えると、空は晴れわたり、風はほとんどなくなっていた。

 いま文章を打っているのが午後7時。しかし家の前の道にはいまだ町の除雪は来ない。今日はついに新聞も届かなかった。もちろん、こんな状態で外出はできないから、今日は配達の日だったのに、1日延期すべく、仕事の合間に配達先に片っ端から電話をかけまくった。でも、どこのお宅でも状況は似たりよったり、中には「来ると帰れなくなるから来ないでください」とまでご親切にお電話くださった方もいらっしゃった。有り難い限りである。ま、この1日はなんだかんだといろいろあったけど、最低限のことは無事乗り切れてよかったと思うことしきりである。


2月16日

 今週に入って連日雪、雪、雪...といっても、最初のうちはどっちかというと積雪自体はそう多くなくても地吹雪が飛んできた、という感じだったが、昨晩から今朝のうちに20センチか25センチぐらい、しんしんと積もっていた。今週のあたまは30センチそこそこの積雪だったのに、気がついたら、防雪ネットの風上側にはゆうに1メートルを越える積雪、風下側にも80センチぐらいの雪が積もっている。育苗の準備をしたかったのに、除雪ばかりで全然そこまで手が回らない。

 さて、今朝の新聞を見ていると、輸入小麦価格上昇の記事が。毎日の買い物に汗している人たちからすると怒り心頭、という気持ちもあろう。しかし、小麦に限らず、いろいろなものの値上がり傾向が止まらないのは、批判を承知で言わせてもらうと、残念ながらわかりきったことではある。今ごろ騒ぐほうがおかしいとさえ思う。バイオ燃料を礼賛すれば食料に回る農産物が減るのは自明だし、まったく当てにするなとはいわないが、EPA交渉で外国の言いなりになるなど、過度に輸入食料に頼りすぎると、干ばつなど天候上の理由などで生産量が減ったときに価格が上昇するか、いや価格が上がるだけならいいが、もっと重要なのは、輸出国側だってまともな国なら自国の分は優先して確保するだろうから、いくらカネを積んでも入ってこないリスクを背負わなければならない。食べ物は安くてあたりまえ、カネさえ払えばなんとでも、という考え方は最初から間違っているのである。

 昨年、日本とオーストラリアのEPA交渉に関するシンポジウムに参加することをこの場で触れたけれど、残念ながら前前から懸念していたことが悪い形で的中しつつある。これが評論家だったら的中したことを自慢してカネを稼げるのだろうが、カネも大事だけど、ごはんを腹いっぱい食べたい私としては、農業を生業とする以上、きちんとモノを生産することに取り組まなくてはならないと思うし、また、自給できないものに関しては、身近なところのもの(北海道産や国内産)を優先して購入するようにしていきたいと思う。

【追記】
 この日の書き込みは一農家の発言としては誤解を招きかねないので補足を。
 
 「食べ物は安くてあたりまえ」が間違っている、というのは、決していくら高値をつけてもいいだろう、という意味ではない。もちろん、農家の立場としては再生産可能な収入がなくては維持できないという側面はあるにせよ、食べる立場になれば毎日のことなので、高すぎて購入できないのも困るだろう。当然、そのバランスは考慮せねばならない。いくら私が自給自足の延長線上にある営農形態をとっているとはいえ、100%自給しているわけではなく、購入している食料品もあるのはいうまでもない。それらが私にとって手の届く価格である点について感謝せねばバチが当たるだろう。重要なのは、食べ物が目の前にあることの有り難さに感謝しなければならない、ということだと思う。その上で、これまで(現在よりも)購入しやすい値段で手に入れられてきたことに感謝すべきであり、また今後もお互いがお互いのバランスを考えながら、お互いが売り買いしやすい環境に向けていく努力が必要ではないかと思っている。だからこそ、決して「安くてあたりまえ」と思ってはならない、ということを言いたかったに過ぎないので念のため。(2008/02/18追記)


2月12日

 配達に出ると、買うものの有無にかかわらず、帰りがけにスーパーに寄ることが多い。買い物しなくても、市場調査とはいわないまでも、興味のある品々を見て回るためなのだが。今月は節分に始まり、それが終わった瞬間にチョコレート、あと数日もすればいきなりひな祭りモードに変わるのだろう。

 さて、こうした品々の陳列されているのを見ていつも思うのだが、売れ残りってどうしているんだろうか。特設コーナーが取っ払われても、腐らないものなら定番の置き場に置けるものは在庫としてしばらく置いておけるのだろうが、問題はそれ用に作られたもの。豆まきの当日やバレンタインの当日になっても、どう考えてもぜったいその日は売れ残るだろうなというくらい、どこの店でも山積みになっている。そして、次の日には売り場から消え去っている。お見事なまでに。

 さて、そんなバレンタインもあと2日後、いったい誰が好きな男の人にチョコなどあげる日と決めたのだろうか、と毎度ながら思う。学校に通っていたころは、もらえる人はだいたいイケメンのスポーツマン(サッカー部とかテニス部とか...)と相場が決まっていて、そういう人はたくさんもらっても、その他の男子は誰ももらえなくて、女子のみならず、たくさんもらった男子からも「おまえら雑魚〜」みたいに言われるのがオチである(これと同じような趣旨のことを、とあるアナウンサーがラジオで発言していて、どこも同じだと思ったものだった)。社会人になっても、個人的にどうぞと言われても、一瞬おれに?と喜ぶのもつかの間、両隣の男の席に同じものが置いてあって「やっぱり義理か」と納得させられたり、2月14日になるとなぜか休憩室に呼ばれて「みんなでどうぞ」と、置いてあるお菓子の詰め合わせを男たちで、いや持ってきた女性社員とも一緒に食べたりで、やっぱり個人的にたくさんもらう人はだいたい相場が決まっている。まあ世の中そんなものである。

 でも、農業を営むようになって、実はこれって生き物の本能じゃないかと思うようになった。度々触れているが、鶏にしても、猫にしても、基本的に同じなわばりにたくさんメスはいても、そこにいられるオスの数は限りなく少ない。少ないどころ、彼らはなわばりから追い出された瞬間に命まで失う。それを考えると、「雑魚」でも、飢えることなく暮らしていかれることの有り難さに感謝せねば...というのは単なる強がりか...?


2月9日

 2月4日から8日までの連続5日間、朝の気温が氷点下20度を下回り、しかも積雪はわずかずつとはいえ減る一方でなおさらしばれたが、今朝やっと寒さが緩んで14度...。ったって十分寒いが、それまでは前夜に落としていた水道の水を通しても、水を止めた瞬間に蛇口が固まってしまっていたが、今朝はそれがなかったくらいだから、いかにそれまで凍りついていたかがよくわかるというもの。

 昨日から、なぜか朝になるとメス犬のメリーが右脚をひきずっていて(午後には普通に歩いているのだが)、食欲は相変わらず旺盛だし、右脚をひきずってでもしっぽを振りつつ私にジャンプして飛びついてきて、それ以外ではいつもと変わらず元気ではあったのだが、気になったので動物病院へ連れて行った。そして触診してもらうと第一声が「すごい筋肉ですね」...。どうもこの子は筋肉のつきがしっかりしているらしい。普段は鎖でつないでいてたまにしか散歩に連れて行けないというのに、それでもしっかり筋肉がついているということは、鎖を長めにしていることでそれなりに走り回れているということなのだろうか。ご主人様がずぼらなのに、ちゃ〜んと自分でしっかり運動して「自己管理」できているとは、わたしたち人間も見習わなきゃなりませんね。で、肝心の具合のほうは大きな異状はなさそうだという見立てでひとまずはホッとしたけど、一日も早く具合がよくなりますように。


2月4日

 なまじ晴れてしまったばかりに、朝はこの冬一番の冷え込みで、かと思ったら昼間はへこんだ部分が水たまりになるほどの暖かさ、そして夜は一転、またまた氷点下20度近くに下がってしまっている。とはいうものの、日ざしは確実に春めいているように感じる。

 夕方、今年最初のヒナをつれてきた。いつもなら育雛箱の熱源にコタツのヒーターをひとつだけつけるのだが、あまりに外が寒く、全然育雛箱が温まらないようで、ヒナが寒そうにしているので、これではまずいと空気を入れるために網になっている部分にも、急きょ網を取っ払ってヒーターを取り付け、どうやら落ち着いたようだ。最初の数日は少々換気が悪くても、温度優先の部分があるので致し方ないとはいえ、やはり真冬の育雛はしないにこしたことはない。とはいえ、ここでヒナを入れないと夏場にたまごが足らなくなってしまうので、これまた致し方ないところ。それにしても、よりによって初日が寒い晩になるとは...。


1月29日

 先週の木曜日から土曜日(24〜26日)ごろまでは北海道内では荒れた天気になったところが多かったようだ。我が家でもどれほど積雪が増えるものか...と警戒していたが、なぜかうちの周辺はあまり積雪が増えなかった。確かに、24日の降り出しからは2〜3時間のうちに一気に15センチぐらい積もった(このペースはかなり猛烈な勢いである)が、その後は地吹雪が舞ったりしたものの、今回の雪はそれでおしまい。しかも除雪機を出動するまでには至らず。その後は連日晴天が続き、気がついたら、積もったはずの雪はだいぶ沈んで30〜40センチぐらいに戻ってしまった。配達に行く先々で「雪の中よく来られましたね」「(私の)家のほうは大丈夫でしたか?」などとご心配頂くのが申し訳なかった。ただ、晴れていた分「しばれ」がきつく、2年ぶりに朝の気温が氷点下23度を下回った日もあった。これだけ強烈な寒気が来ると、雪がないならないなりに朝のしばれが代償としてくっついてくるものだ。

 こうして寒い日が続きながらも、昼の時間は確実に長くなっていて、日ざしだけ見れば「春の気配」である。来週には今年最初のヒナがやってくる予定だ。しかし、寒い上に積雪が少ないと、すきま風はいうにおよばず、春先の畑が心配になってくる。雪が保温材の役割をしているからだ。そんな私の心は、夏を通り越して「秋の気配」...。


1月23日

 鶏の育雛や野菜の苗たてが始まる前に温泉めぐりをしようと考えていたが、天気予報を見ていると、今週行くなら今日しかなさそうだ、ということで、朝の仕事を終えると早速出かけた。

 早来のそば屋で昼食をとったあと、まずは登別漁港の近くにあるフンベ山温泉へ。海の前にある共同浴場とは聞いていたが、フンベ山をぐる〜っと歩いて探し回ってやっと見つけた。小さな掘っ立て小屋の中に脱衣場と浴槽がひとつあるだけのもので、地元の有志の方が管理維持していて、入浴者のカンパで成り立っている。しかも、昨年大波で小屋が飛ばされてしまい、その修繕が大変だったらしい。風呂で一緒だった地元の方の話では、「本当に身体によく効くお湯」とのことで、心から維持をしていこうというおもいが伝わってきて、ありがたみを感じた。しかし一方で、最近は心ない(モラルのない)入浴者が多い、というような嘆きの話も拝聴した。5〜6人が精一杯という広さではあったが、それでも私がいた1時間ぐらいの間、常時5〜6人いて、近場の方が立て続けにやってきていた。

 その後、登別温泉の温泉街まで車を走らせ、ただドライブだけして下山。ここはいわゆる温泉街という町並みで、コンクリートの塊がそびえたっているという感じ。それだけ湯の量が豊富ということの裏返しではあるのだろう。でなければあれだけ多くの人を集められないのだから。そしてこんどは白老へ引き返し、萩野の宝湯という温泉銭湯へ。国道36号線沿いにあり、前前から、室蘭に行くたびに気にはなっていたのだが、営業時間が夕方からということもあり、やっと入れる機会に恵まれた。ここは最近あまり見かけなくなった、いわゆる番台のある銭湯。愛想のいいダックスフンドが脱衣場でお出迎えしてくれたが、浴室の入り口の扉に、白い紙に太い筆で「循環 加水 加熱 なし」(←だったと思う)と書かれていて、湧き出してきたお湯を大事に使っているという印象だった。たまたま男湯には私以外の客はいなかったが、長く湯につかるのは厳しい熱いお湯で、フンベ山のように1時間も入れるようなところではなかった。それでも、体の芯までしっかり温まったようだ。また時間をつくって訪れたいと思う。

 今回入ったフンベ山温泉にしても、萩野の宝湯にしても、ただ温泉だから、というのではなく、いろいろな意味でありがたみを感じるお湯だった。もちろん、自分が気持ちよくなるために入浴するのだけれど、もし、みんながみんな、自分「だけが」気持ちよくなるような湯の入り方では、このような温泉はだんだんなくなっていくような気がする。わが身のだらしなさを反省しつつも、目には見えないし会ったこともない、いろいろな人の心遣いがあるということを肝に銘じておこう、と改めて感じた湯めぐりの一日だった。


1月21日

 昨日苫小牧に行った帰り、いつもなら家に近づくにつれだんだん寒くなってくるはずなのに、逆にどんどん気温が上がっていった。それもそのはず、だんだん雲が増えてきて、追分のまちに近づくころには大雪になっていたのだから。朝までの間に20センチほどの降雪があったが、それでも積雪量はまだ40センチぐらいか。そのくせ気温が低いので、家の中はかえって寒寒としている。やはり、雪はほどほど積もったほうが家にすきま風が入ってこないので助かるのだが...。一気に積雪が増えるのも困るけれど。


1月9日

 今年に入って、まだ朝の気温が氷点下20度を下回る日はないが、連日2桁はあたりまえ、昨日は18度だったし今朝も13度。寒中だから当然といえば当然か。

 昨日、ページが埋まった通帳の切り替えに近くの郵便局へ行った。そこは町内の局ではないが、札幌に行く通り道で便利なこともあり、かえって町内の局よりもよく行っている所だ。しかも、そこでは昔ATMの紙幣の投入口に硬貨を入れる愚行をやらかしたこともあるくらいで、窓口に行くと私以外にだれもなかったので、ものの数分で終わるだろう...と思った。ところが、なかなか新しい通帳が出てこない。あげくの果てに「(何度か住所が変わっているようなので)念のために、大雑把でいいので、以前の住所をここに書いてもらえませんか」とメモ用紙を差し出された。内心面倒なことになったと思いつつ、ここまで来たら逆に書くだけ書いてやれと思い、栃木だろ、柏だろ、習志野だろ、千葉だろ...と、過去に住んでいた4箇所の住所を番地まで書き出し、かえって絶句(?)されたような感じだった。それからまたなにやら入力作業などしていて、結局30分ぐらいかかってしまった。田舎の郵便局でこのありさまだから、きっと都会の郵便局はもっと大変なんだろう。

 聞くところによると、郵便局に限らず、金融機関では最近はこうした本人確認がこと細かに行われることが多いらしい。ただ、そのやり方がどうもおかしなところも多いらしい。とある知人からは、某大手銀行で新規に口座をつくるのに、大もめにもめたという話を聞かされたこともある。ま、詐欺が多い時代だし、しょうがないのかと思いつつ、でもなんか納得感がないのも否めない。


1月2日

 今年も無事新しい年を迎えることができました。どうぞよろしくお願いいたします。

 元日の朝は雪が舞っていて初日の出こそ見られなかったものの、昼前から晴れてきて平穏な天気だった。しかし、天気予報どおり、日付が変わったころからしんしんと雪が降り始め、朝方には20センチぐらい積雪が増えていた。とりあえず、母屋の裏にある野菜ハウスの雪下ろしだけしておいて、朝の仕事が一段落したら続きをやろう、と思っていたら、さらに雪が...。でも、すぐにハウスが潰れるほどの量ではなさそうだったし、また軽いさらさら雪だったこともあり、こうなったら「午後から雪が弱まる」というを予報を信じ、箱根駅伝の往路のゴールを聞き届けてから除雪しようと腹をくくり、それから鶏小屋周りの除雪をして、気がついたら日暮れ前になってしまっていた。結局、今日一日で30センチぐらい積雪が増え、だいたい40〜50センチぐらいにはなっただろうか。とはいっても冬本番はまだまだこれから。少なくとも、いつもはこの倍ぐらいの積雪にはなるんだし。

 そんな調子だから、毎年恒例の「駅伝聞きながら年賀状書き」にはまだ手をつけていない。さて、今晩から手をつけ始めるか...。


Copyright(C) since2003 Hyakusho-neu-ie All Rigts Reserved