つれづれなるままに...
これはここでおきた出来事を気が向いたときにつづったものです。
2003年8〜9月の巻...
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9月29日
北海道で大地震があったから、ということで、いろいろな方からお見舞いの連絡をいただき、どうもありがとうございました。幸い、地震のほうは大丈夫だったのだが、今日は昼間から雷雨が何度も降り、雷雨の中仕事をするわけにはいかず、11時過ぎぐらいか、母屋で避難していたらこんどは停電。まるで日がとっぷり暮れたかのような暗い部屋の中でおとなしくしていたが、ガスは使える状態なので、とりあえずは朝の余りものを温めるところから昼の準備でも...とおもったら、そう、井戸水は地下から電気ポンプで揚げているので蛇口からは水が出ないのである。自分のところにある井戸水はよっぽど枯れない限りは自由に使える...というものではない、というのが意外な盲点だった。まあ手を洗うぐらいなら風呂の残り湯でなんとでもなるけれど、料理するにはちゃんと水をためておかなくてはいけないなと思わされたのだった。結局、12時過ぎて電気は復旧した。でもこれが真冬でなくてよかった。真冬に停電してしまうと暖房系統もやられてしまうからである。
9月26日
夜明け前、小用を足したくなって目をさましたのだけれど、蒲団から出るのもおっくうだなぁ...とおもっていた矢先、突然の大きな揺れ。1分近くは続いただろうか、揺れがおさまってからラジオをつけてみると、十勝沖を震源とする大きな地震があったとのこと。胆振中東部は震度5強ということであったが、幸いにして家の中は何事もなく、残り少ないレギュラーコーヒーの粉の入った袋が舞い落ちただけ、水電気ガスも異状はなかった。その後鶏小屋や犬を見てまわったが、こちらのほうも事故はなく、やれやれ...と、いつものように朝の仕事を始める。鶏に水とえさを与えると、おいしそうについばむ。そして犬たちに順順に水とえさをいれてまわる。ジョンのところへ行くと、これまたいつものように立ち上がって右往左往しながら喜んでいるのだが、その瞬間、2度目の大きな揺れ。電柱や電線が大波小波をうっているというのに、ジョンは相変わらずしっぽを振って立ち上がりながら喜ぶのみ。手にもっていたエサを器に入れると、地震に動じることなくエサをおいしそうに食べていた。昼間に聴いていたラジオ番組では、犬が地震の異状に敏感になっているというようなメッセージが度々流れていたというのに、このうちのジョンの平和なこと。しかし、ふと先にエサを入れたイヌゾーのほうを見ると、これまた何事もなかったかのようにエサに集中している。気になってすぐ鶏のほうを見に行くも、これまたエサに集中している様子。鶏にしても犬にしても一瞬はびっくりしたのかもしれないけれど、平気な様子をしているのをみて、いかに自分の神経が細いのか、この程度ですんだからいいけれど、もうすこし大きな事件があったらすぐパニックになってしまうかも...とおもわずにはいられなかった。ああ精神力を鍛えないと。
9月21日
先週の火曜日から金曜日まで、北海道の新規就農プログラムの一環で選択必修となっている、農業機械の研修に本別まで行ってきた。初日と2日目に座学の講義を受けた後、2日目の昼からトラクターを操作したり、トレーラーを牽引したり、また機械を分解して点検したりの4日間の研修だった。栃木にいたころから、トラクターに乗せていただいたことはあったけれど、実際の農作業の中ではできない運転の「練習」、また分解点検など、知らないことをいろいろ勉強できて、実りのある4日間であった。
そして、昨日の朝からいつもの仕事に戻ったのだけれど、今月は暑いなあと感じていたのが、いつのまにか朝夕の冷え込みが厳しくなってきて、今朝はとうとうここでも霜がおりてしまった。さすがに昼間は身体を動かしているせいもあってか暑く感じたけれど(今日に限っては東京よりも気温が高かったらしい)、来月の今ごろ、ひょっとすると雪が降るかもしれない...とおもうと、そろそろ冬支度にも真剣に取り組まねば。
9月14日
今日は集落の神社の清掃作業があり、それに出かけてきた。明日は集落のお祭りがあるので、その準備も兼ねていたのだが、テレビなどでは見たことのあったしめなわ結いを間近で見てみると、こうするものなのか...と感動してしまった。
9月13日
先日くみ出した、古井戸の水質検査の結果が届いた。どの項目も、水質基準の範囲内の数値で、鶏のために使うのには問題なさそうである。これで安心して水を飲んでもらえる。よしよし。
9月11日
昨日、はじめて集落の集まりに出席することとなり、全員の前で自己紹介をした後、飲み会が始まり、挨拶をしてまわった。30人ほど出席していたので、酒を片手についでまわりながらお話をうかがうにも少しずつだけなのだが、ごくわずかな話の中でも、やはりプロの皆さんとヒヨコの私とではあらゆる面において違いがありすぎると実感させられた。それにしても、19時半過ぎに始まった飲み会は何時まで続いたものか...中座させていただいたけれど、それでも午前様になっていたのは確かで、こちらのパワーのほうも脱帽であった。
9月8日
もう来月末になると雪が降り出すであろうこともあり、雪が降らないうちに、野ざらしになっている農機具類の置き場を確保するべく、納屋の軒を伸ばす作業にとりかかっている。いまある納屋はもともと軒がそんなに長くはないので、ちょっとした雨でも窓をあけられないという欠点があったのが前前から気にはなっていたのだが、軒を伸ばすついでに長めに伸ばして、その下にトラクターや除雪機などを置こう、という計画である。
最近おもうのは、栃木にいたころは、冬の最低気温はこのへんよりも少し高いぐらいで、氷点下15度ぐらいまでいくこともあったので(最高気温は東京並み)、たとえば水抜きするだとか、それなりに冬対策をぼちぼち考えないと...というのはあったけれど、いざ追分に来てみて、栃木での神経の使い方とはまるで違う。夏に作業するにしても、ちょっと水道管を掘り出すのに80センチぐらい掘ったりだとか(栃木ではせいぜい30センチぐらいだった)、軒の支柱にする柱を用意するにも3尺ぐらいは埋める前提で長さをそろえないといけなかったりだとか、その作業のひとつひとつが冬のことを見越しての作業であったりする。南関東生まれの身としては、それらの作業をちゃんと学んでいかないと、あとでとんでもない目に遭いそうだ。
9月3日
今日は天気が穏やかで風はほとんどなし、待ってましたとばかりに屋根のシート張りの続きの作業をした。が、数日前の作業を見かねた(?)お隣さんから「長いはしごがあるから使っていいよ」と言っていただけたもので、それをお借りして納屋の屋根のてっぺんにのぼることに。なんとそのはしご、伸縮式で最長8メートルにもなろうかというもの、いままでの苦労は何だったのか、こんなにラクにてっぺんにのぼれるものだったとは。しかも風がなかったおかげで作業も順調に進み、無事シート張りを終わらせることができ、これで納屋の雨漏り問題は完全解決...といきたいところだが。
8月30日
6月に納屋の天井に雨漏り防止用のシルバーシートを張って以来、その上からブルーシートをかぶせようとおもいつづけていたものの(6月8日参照)、後回し後回しにしていて、やっと今日になってブルーシートを張ることにした。しかし、高いはしごがないのに、てっぺんが6メートルほどの高さの、しかも傾斜のきつい屋根にのぼるのには骨が折れる(本当に折れたわけではない)。前回もあの手この手でどうにか屋根の上にのぼったけれど、今回は6月時点ではなかった、トラクターの先についているフロントローダー(しゃくる装置)を活用することに...(トラクターの写真は「寫眞館」参照、ローダーはその最前部についている)。ローダーのアームを最高の高さに上げ、ローダーを水平に保ってその上にはしごを立てて屋根にのぼる、という作戦を立て、いざ出陣。アームを最高にして微速で屋根に近づいたところ...なんと、わずか何十センチか行き過ぎただけで、ローダーの先端のかどで屋根に小さな穴をあけてしまった。幸い、トタンに穴をあけただけで、骨組みの木を傷つけずにすみ、その部分だけトタンをはればどうにかなるので助かった。本題のシート張りは作戦どおりすすんだが、風が強い時間帯があったこともあり、3分の2ぐらいしか進まなかった。続きはまた後日。
8月28日
昨日は大根の若葉を間引き、その間引き菜を洗い、お手製のドレッシング(塩と胡椒と酢と油を適当に混ぜたもの)をかけて生で食べた。そして今日はにんじんの間引き菜をきんぴらにして昼食のおかずにした。間引き菜といえども結構ばかにできないもので、大根の間引き菜はかいわれ大根に似た味ではあったけれど、かいわれ大根よりも濃厚な味でおいしかった。また、にんじんは根が十分大きくなったものでも葉の部分はやわらかいうちは汁物の具やてんぷらなどに利用できるけれど、間引き菜だけあってさらにやわらかく、それでいてにんじんの香りが十分に感じられた。こうした食材は通常どこでも売られていないし、またどんな高級料理店でも口にすることはめったにできないとおもわれるので(もっともそういう店にはめったに行けないが)、自分だけの贅沢だと勝手に幸せにひたってしまったのだった。
ところで、最近周囲でトンボの姿が目立ってきた。まだ8月ではあるが、確実に秋を迎えているということなのだろう。
8月26日
これまで鶏の飲む水は母屋の水道でポリタンクに満たして、それを軽トラの荷台に積んで100メートルほど離れている鶏小屋まで運んでいたのだが、鶏小屋のある敷地の一角に昔人間が飲み水に使っていた古井戸がある、という話を聞いたので、これはなんとか活用できないかと、ポンプや水道管などを調達し、また足りない部品を探しに右往左往しながら、どうにかこの1週間で(要領よくやれば2日ぐらいで終わる仕事ではあったのだが)古井戸の水をくみ出せるようにした。実際試飲してみたところ、味覚やにおいに限ったしろうとの印象では特に問題はなさそうにも感じたけれど、念のため検査してもらおうかとはおもう。もしこれが使い物になるのであれば鶏小屋の近くに水が引けるのでいろんな点で便利になるが、はたして...
8月20日
軽トラの燃料計がこわれてしまい、またほかにも少々気になる点があったので、朝方修理・点検に軽トラを出しにいった。その後代車で帰宅し、犬たちのいる鶏小屋の前へ乗りつけると、みな大きな声でほえ始めた。軽トラだったらおとなしく(でもないけど)しっぽを振って待ち構えているのだが...。さすがに、車から降りるとな〜んだ、という感じでみなしっぽを振りはじめ、たよりないご主人様がやってくるのを待ち構えていたけれど、いつもと様子が違ったもので、よほど怪しいと感じて大騒ぎしたのだろう。おいおい、おれに向かってほえるなよ〜、とはおもったけれど、見方を変えれば「怪しいものには警戒する」という本能というか習慣というか、そういうものがあるということでもあるので、ちょっと安心したひとコマでもあった。
8月17日
昨日、道道沿いの草刈りをしたのだが、出るわ出るわ、空き缶やペットボトル、それに大量のごみの入った袋、草刈りをした後回収したら、角コンテナ(スーパーの買い物かごよりひとまわりぐらい大きい)4個分になっていた。おそらく心ない人が車の窓から草のかげに投げ捨てていったのだろう。あまり草を生やしたままにしておくと、いつ来るかわからぬキツネなどの外敵が隠れやすくなってしまうからと、なるべくこまめに草刈りをしているのだけれども、これはおもわぬ「外敵」の出現である。世にはごみ箱とかごみ収集所があるのだから、ちゃんとそういうところに片付けていただきたいものである。
8月14日
昨日・一昨日と買い物などで外出していたのだが、車を運転しながら、近所の千歳川や夕張川など、渡るときにちょっとながめると、その流れのにごっていること。泥水が流れているような感じだった。これまで見慣れてきたのとは別の川のようであった。
ところで、このところ、5月にやってきたおんどりのトサカがだんだん大きくなってきて、またコケコッコーと声を出すようになってきた。でも、おとなの迫力ある声と比べると、なんかうめくような、通らない声ではあるが、わずかずつでも成長しつづけているというあかしなのだろう。
8月10日
どうやら夜半にこのあたりを台風は通過したようだ。昨日からの雨は夜中も続いていたものの、風はさほど強くならないまま、明け方には雨は上がっていた。しかし、家の前を流れる小川の水位が上がっていて、また水はけのあまりよくない牧草畑では水たまりができていた。これほどまで水がたまったのはここに来てから初めてのことだった。が、さすがに家や鶏小屋は1段高いところにあるので、だいぶ周囲の土は水を吸ってはいたようだけれども、朝、時間がたつにつれて急速に水気がなくなっていった。また、鶏小屋の中に雨水が吹き込まないように、ハウスの南側はカーテンを下ろしておいたものの、換気が悪くなるのを恐れて北側は完全には閉めず、半分ぐらいあけたままにしておいたのだが、朝見てみると北側に雨水の入り込んだ形跡はなく、鶏小屋の床はいい状態を保っていた。
ところが、ここから50〜60キロぐらい東のほうでは河川が氾濫したり、またお亡くなりになった方や行方不明者が出たりしているとのこと、もう少しでも台風が西よりの進路をとっていたら...とおもうと、自分のところでは何の被害も出なくてすんだのは、実はかなりの幸運だった...と思わずにはいられなかったけれど、見方を変えると、いつなにがおきてもおかしくない、ぐらいにつね日ごろ考えておかねばなるまい。
8月8日
今日は雨が降ったりやんだりの天気、しかし時折雨が激しくなったりもしていた。そこで外での作業をあきらめ、屋根のついている、未完成の鶏小屋の部屋づくりをぼちぼち続けていたのだが、明日以降は台風が接近するとのことで雨だけでなく強風もくるという。新しいハウスでそこそこ頑丈なつくりにしてあるとはいえ、飛ばされるほどの風が吹かないことを祈るばかりである。
8月3日
おととい、たまたま中古で安い煙突ストーブが売られているのを目にした。季節はずれとはおもいつつ、冬になってから安いのをさがしてもしょうがない、ということで衝動買いのような感じで手に入れてしまった。でも、万が一のことがあるといけないので、昨日動作確認をしてみた。なにもこんな季節に動作確認しなくても...というのはあるのだがやむをえまい。とはいえ、この夏の記録的な低温状態を考えると、冗談抜きで準備をしておかねば...とおもいもする。
それはそうと、倉庫に置いてある煙突を引っ張り出したり灯油のホースをつないだり、足りない部品は買い足したりしてストーブを点火すると確かについた。でも、さすがに長時間つけていると本当に気分が悪くなりそうなのですぐ消しておいた。
ところが、今日あらためて点検してみると、灯油のホースに亀裂が入っていたり、またもれていたりしているのに気づいた。いくら古いものを大事に使えといえども、これでは灯油がもったいないし、だいたい間違って引火でもしたらたいへんだ。いちおう、いますぐ使うわけではないので元栓は閉めてはいるけれども、どのみち今日は雨降りで、外で仕事をするにもあまり都合がよくないので、ここぞとばかりに配管の修復をすることにした。また、部屋のカーテンも万が一に備えて防炎のものに交換し、ストーブ置き場のわきにあった、書類が山積みになっていた小机も片付けておいた。これでいつ寒くなっても大丈夫...でも、すぐに寒くなったら困ります。まさか本当にすぐに寒くならないよなあ...
8月1日
からだを動かして仕事をしていると大汗をかくので暑く感じるけれども、今日も天気はどんよりしていて、ちょっと立ち止まると風はつめたく、今年の7月が記録的な涼しさだった状態をまだ引きずっている。4年前に北海道の道東某所で夏をすごしたときは内地顔負けの猛暑で、内地から来た人が全然避暑にならない、と嘆いていたものだが...。ラジオ番組をきいていると、夏にまつわる曲がたびたびリクエストされているけれども、ただ夏の曲が流れている、というよりもそのリクエスト自体がなんか祈りのようなものであると感じてしまうのはけっして私だけではないだろう。
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